不安定な自分では人助けは難しいという話

思ふこと日記(了)

日曜日、近所のスーパーから出たときのこと。
自転車を出す準備をしていたら、後ろから「ガタン!」という音が。

振り返ると、杖を持った80代くらいの男性が倒れていました。
ビックリして駆け寄ると意識はしっかりしている様子。

スーパーから出てきた店員さん2人と、3人がかりで起こしました。
話を聞くと――

・脳梗塞で左半身麻痺がある
・家は近所

・アパートに1人暮らし
・ヘルパーさんがお休み

・徒歩15分のところに、行きはタクシー
帰りは休み休み歩いてきた

とのこと。  

「近所なら送っていきます」と、男性の買い物袋を預かり
支えながら歩き出したもののーー

・身体が沿っていて杖をあまり上手く使えない
・1歩に15秒はかかる速度でしか歩けない
・歩いて帰ってきたのがたたり疲れ切っている

ことから、
5分歩いてもスーパーから離れることが出来ず、
台になっている場所に座り込んでしまいました。

体はきゃしゃでしたが、真っ直ぐ立てば恐らく私より背が高い方。

そこそこ体格の良い私でも、
麻痺した身体を支えるのは結構力を要しました。

おんぶをしようと考えましたが、
万が一転がしてしまったら大変なことになります。

男性に「家に車椅子はないか?」訪ねると「ある」とのこと。
住居の場所を聞いて10分ほど彷徨うも見つからず。

もう一度戻って聞くと先程とは方向が逆の説明。
また5分ほど彷徨うも見つからず。

もうどうしたよいか分からなくなり
そのまま近所の交番に飛び込みました。

交番で最初から説明すると、とても良いおまわりさんで
男性のところまで一緒に来てくれて住所を聞いて

これまた一緒に家探しをしてくれて
10分ほどで見つけることができました。

スーパーから徒歩5分くらいの場所で、
確かに近かったのですが
男性の説明とは全く違う場所でした(笑)

お巡りさんが家の中から歩行器のようなものを見つけて
男性のところに戻ると、車椅子は別途あったとのこと。

でも、その歩行器のようなもので、
先程よりも2倍早く進めるようになり

休憩は挟んだものの20分程で送り届けることができました。

男性を助け起こしてから1時間後
ようやくの解決で心底ホッとしました。

おまわりさんによると
「すぐに110番してくれていい」
とのこと。

私が
「事件でもなく救急車の必要もない件で
110番は申し訳なく思った」
と伝えると

今回のケースは

・110番して問題ない
・特に女性1人での対応は難しい
・地域の交番として記録に残す必要がある

レベルだったと。

「次はすぐに110番してくださいね」
と笑顔で言って頂きました。

確かに、
私は近所だからとスマートフォンさえ所持しておらず、
アパートを検索することも誰かに相談することも出来ない状態だったこと。

夕食前で空腹だったこと。
すぐだからとコートも着ず身体が冷え切っていたこと。

どれを取っても、人1人を助けられる状態とは言えません。

そういえば男性も
「以前も近所で転倒し、大きなお巡りさんにおぶってもらった」
と、後から話していました。

クタクタで自分の家に帰り着いたときは、
全身抜けるようなだるさに襲われて

背中や腰に痛みが走り
空腹だったのに買ってきたパンも喉が通らず

床に寝転がってしまいました。
今回のことで思ったことは――

自分が心身ともにしっかりしていないと、
ささいな人助けすら難しいということ。

私がすぐに交番に飛び込むか
一緒に起こしてくれた店員さんに110番を頼んでいれば

その男性も19時頃の寒い外に1時間もいなくて済んだ筈です。

人を安全な場所に引き上げたいのなら
まず自分の安全を確保しなければならない。

ぬかるみにいたまま人を引き上げようとしても、
ぬかるみに足を取られて人も自分も危険にさらしてしまう。

こうしたことが身にしみて分かりました。
私は今、メンタル的に弱って生きづらくなっている方に、

「大丈夫! やり直せるよ!」
「こんな手があるよ!」

という発信をしていますが
どれも自分がやって良くなったものばかり。

まだ解決出来ていないことは発信しようにも発信できません。
プライベートの相談や雑談もそう。

自分の心が安定していない状態で
無理に話を聞こうと頑張っても

必要以上に疲れたり
イライラしてしまったり

して、
相手にも自分にも良くない結果になってしまいます。

だから、人のため世のためとは言うけれど
1番重要なことは

まず自分自身を心身ともに大切にすること。
改めて思いました。

長文をここまでお読み頂き
ありがとうございました!

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